(4)徹底的なコスト削減。日本企業のコスト削減能力の高さの裏には、資源が不足して浪費が許されないという日本の実情がある。日本人は小さな頃から倹約や節約の意識が育てられる。日本企業は浪費を企業管理の敵とみなし、浪費を恥とし、浪費をなくすためにあらゆる手段を動員する。価値を生み出さない行為はすべて浪費とみなされ、極限的とも見えるコストカットが行われる。追求するのは実用だけで、メンツや見栄えはこだわらない。節約できるコストはすべて節約する。日本企業のコスト削減の徹底ぶりは時に「けち」とも思われてしまうほどである。
(5)日々の改善。日本企業が長期にわたって繁栄し、活力と生命力を保持しているのは、日々の「改善精神」と切っても切れない関係にある。日本企業は常に生産方式の改善を進め、製品の質を高め、コストを抑え、環境を改善する。しかもそれを喜んでやるのである。
(6)システマティックな人才育成の仕組み。日本では教育が非常に重視される。企業内部の教育や研修の重視は、日本的経営の特色であるばかりでなく、「職業訓練法」(1958年制定)など国家の法律としても定められている。日本では社員が入社したばかりの頃から、職務に応じた研修計画が制定される。研修の内容には、企業精神や道徳教育、管理知識、専門知識、職務技能などが含まれる。
(7)すべてを吸収しようとする学習精神。日本は勉強が好きな国である。国外の優れたところを常に吸収し、本国の実情と結びつけ、自らのものとして再創造する。
現代は、多くの企業管理の方法やツール、管理モデルが喧伝されており、企業経営者はどの管理モデルを選べばいいのかと迷っている。最良の管理モデルとは、企業の特色に適合し、その実情と結びつけることのできるモデルである。企業責任者が外部の管理理論を取り入れる際には、理性をもってこれを学び、その長所を企業の実際の運営に生かし、自らの企業管理モデルを形成する必要がある。
「人民網日本語版」
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