パキスタン政府の経済調整委員会は先日、中国・パキスタン回廊の2大旗艦プロジェクトであるカラコルム・ハイウェイ工事第二期の2つの区間それぞれ120キロ、392キロの道路建設プロジェクトを、政府間協力プロジェクトの形式で、設計、施工、建設を中国側の企業に依頼することを決定した。

　上述の2プロジェクトに関しては目下、企業3社が最終選考リストに入っている。中国・パキスタン経済回廊建設および資金誘致を担当するパキスタン側の関連部門は、「このような大規模な国家レベルのインフラ建設プロジェクトは工期が長く、安全面でのリスクも高く、作業条件が悪いうえに経済利益が低いといった様々な要因により、他の国の企業は投資意欲が薄く、調達できる資金の規模も限られているため、真剣勝負ほどの競争とは言い難い。候補企業の範囲は意欲があって能力のある大手中国資本系国有企業に限っていることも決して公平さを損ねることなく、かつ手続きの簡素化によって効率アップできる利点がある」と指摘する。

　「執行力が強く効率が高くて、質に文句の言いようがない」。これはパキスタン関連政府部門および地元協力企業が持っている在パキスタン中国系企業に対するイメージだ。パキスタン側は両国の経済回廊建設に高い期待を寄せており、ナワーズ・シャリーフ首相がここ1か月の間に、経済回廊のインフラ建設が2018年末までに完成できることを切に希望する、と表明を重ねてきた。