この資金の性質のあいまいな処理は、日韓が国内の状況を考慮した末の折衷案だ。これは双方が合意の中で「法的責任」を回避し、「責任」だけに言及したやり方と一致している。しかし日本側は最近、10億円の拠出と合意で取り上げられなかった慰安婦像を結びつけることで、合意の厳かさと実行可能性を損ねて、反省とお詫びを表するはずの資金を赤裸々な「口封じ」に貶めた。
これも無理はない。合意内容が発表された翌日、韓国の元慰安婦支援団体は日本大使館前で抗議集会を開き、日本に「正式な謝罪」と「法的賠償」を求めたからだ。韓国政府も、合意内容には慰安婦像の移設の問題が含まれなかったと直ちに説明した。
韓国の学者は、日本が第二次大戦中に朝鮮半島で20万人弱の女性を、慰安婦として強制連行したと見積もっている。韓国政府が登録している238人の元慰安婦のうち、生存者は46人のみだ。
70年が過ぎたが、日本政府はたった10億円で、慰安婦たちが血の涙を流した過去に終止符を打とうとし、感情を損ねている。日本側はそれだけでは飽きたらずとばかりに、10億円の資金により慰安婦の受難の歴史を記念する、人々の権利を奪い取ろうとしている。
この「国家的横暴」を支えているのは、どのような歴史認識なのだろうか?
10億円が「口封じ」に貶められたことで、正義が慰安婦から遠のき、良識が日本当局から遠のいている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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