この10年、中国人の目に映る高速鉄道は、新鮮な存在から、一般的な交通手段へと変わった。これは同国が高度な製造技術を急速に身に付けた実力を反映している。国際市場における高速鉄道受注競争において、中国は従来の製造強国である日本と真正面から対決し始めている。急速な発展を遂げた中国の高速鉄道は、国家の誇りである新幹線を擁する日本を脅かしている。そして中国は新しい優位性を獲得しようと努力し続けている。中日両国の争いは加速しているものの、国際市場が求める条件は過酷であり、それが争いを窮屈なものにしている。英紙「フィナンシャルタイムズ」が12月20日に報じた。
日本は今年10月、インドネシアの高速鉄道受注合戦に敗れ、中国が総額50億ドルの契約を勝ち取った。国民の誇りである新幹線が拒絶されたことから、日本に大きな失望が広がった。しかし今月に入り、ムンバイ・アフマダーバード間の高速鉄道を日本が受注した。インドでの挽回に日本は湧いた。ただし、このプロジェクトは公開コンペではなかったため、中国側に敗れたとの認識はない。
高速鉄道受注合戦は依然として、中日両国にとって工業分野の覇権とアジアの影響力の象徴である。しかし日本のある官僚によると、高速鉄道をめぐる激しい争いはもう1つの現実を示しているという。つまり、本当にこれを買いたいと考える国は極めて少ないということだ。中日両国が海外の高速鉄道プロジェクトで気前よく融資案を提出することに対し、日本の高級官僚の一人は、「新幹線は日本を象徴するものの1つだ。我々はこれを必ず売り込まなければならない」と述べる。
日本はインドで150億ドルの新幹線プロジェクトを受注したが、同時にインドに対し、利息0.1%の50年ローンで120億ドルを提供した。この取引には15年の還付延期協定も含まれる。さらに日本は、インドに技術協力と人材育成の提供も行う予定だ。中国がインドネシアで高速鉄道プロジェクトを受注した際も、融資に対してインドネシア政府が担保しないことに同意している。
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