
中国が、金の生産・消費大国として取り組んできた金の値決め(フィキシング)をめぐる発言権の獲得に向け、大きく前進する。
上海黄金交易所(SGE)は2016年4月19日から「上海金」の値決め取引を行い、同日に最初の値決め価格を公表する予定だ。
「上海金」の値決め取引では、市場参加者が取引所プラットフォーム上に注文価格と数量を出す集中取引方式により、市場需給が均衡した時点で人民元建て基準価格を決定する。
「これまでは即時取引で価格が決まり、値決めを行っていなかった」。山東黄金の蒋舒チーフエコノミストは、『上海証券報』の記者に対し、国際市場の先進的な金価格形成システムを参考に金の人民元建て値決め価格を公表することで、グローバル投資家に中国市場の需給状況をリアルタイムに提供することが可能になるとの見方を示した。
上海黄金交易所の焦瑾璞理事長(資料写真)
上海黄金交易所の焦瑾璞理事長は昨年末、「上海金」の人民元建て値決めシステムを整備すると共に、銀、プラチナ、パラジウムなど貴金属の人民元建て値決め取引についても研究を進める方針を示した。主要貴金属の現物・デリバティブのグローバル取引に、人民元建て取引基準価格を提供するのが狙いとしている。
開示資料によると、「上海金」の値決め取引コードはSHAUで、価格は1グラム当たりの人民元建てで示され、取引単位は1口当たり1000グラム。取引開始当初のSHAUの取引保証金は6%。上海黄金交易所は2016年4月9日から6月30日まで「上海金」の取引手数料を徴収しない。
蒋舒チーフエコノミストは、中国市場の取引時間内に値決め価格が公表されれば、金価格に対する中国のグローバル影響力は高まると予想。「上海金」、「ロンドン金」、「ニューヨーク金」の3本が並び立つ状況になるとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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