日本観光庁は、2015年度の訪日外国人観光客数が2000万人を突破したと発表した。これは2012年に内閣が策定した「観光立国推進基本計画」の「2016年までに訪日外国人観光客数を1800万人にする」という計画を大幅に上回る。今年3月の訪日外国人観光客数は200万人に達し、単月記録を更新した。
BBCのウェブサイトの4月25日付記事によると、観光庁長官の田村明比古氏は、計画を前倒しで達成できた要因として、周辺アジア諸国が経済成長することで中産階級の海外旅行が増えたこと、円安が訪日動機を高めたことを挙げた。最も観光客数が多かった国は中国だった。
現在日本は、外国人観光客数増加の対応に苦慮している状態にある。たとえば大都市や有名観光地ではホテル不足に悩まされており、多言語交通標識や外国語通訳システムなどの対応ができていない地域がある。
しかし、外国人観光客数の急増を望まない日本人も少なくない。特に激増する中国人観光客は決まりを守らず、清潔さを好まないイメージがあることから、日本社会にマイナスの影響をもたらすといった危機感が存在する。そのような感情は、サービス業の現場で頻繁に見られる。
個人旅行による訪日中国人観光客が門前払いを食らうケースも少なくない。BBC中文サイトで働く記者の、香港人の友人4名が昨年、日本旅行をした。ある旅行マニアが、栃木県那須高原にあるレストランを紹介していたので、彼らはわざわざ駅を降りてタクシーでレストランへ向かった。店に入ると主人が「今日はお休みです」と言う。しかしレストランのドアには「営業中」の札が掛けてある。それを問うと、主人は「日本語を話さないお客さんはお断りなんです」と言い方を変えてきた。一人の香港人の友人が「私は日本語ができますよ」と言ったが、主人は結局彼らを門前払いした。4人はとても不快な気分になり、日本の観光機関への投書の方法を記者に問い合わせてきたのだった。他の香港人の友人も、関西のあるレストランで似たような目に遭ったという。
BBC中文サイトの記者は、香港人の友人が日本で門前払いをされたことについて、中国が専門の日本人研究者に話し、中日民間交流に存在する問題について分析してもらった。
地方の人がたとえばレストランなどの商売をする際、人気が出て需要に供給が追い付かなくなったなら、店の主人は日本人を優先する可能性がある。中国人を含む外国人観光客を受け付けない理由は、第一の可能性として、面倒なことを避けたいからである。第二の可能性として、中国人のイメージが良くないからである。第三の可能性として、日本の地方の人は外国語を話せないというコンプレックスがあるため、そのコンプレックスをもたらす外国人を避けたいからである。
第一と第三の原因、あるいは第三の原因が最も可能性が高いと思う。ある人が「数十年前、標準語を話す東京人も日本の地方で門前払いされたことがある。今でさえ、普通と違う対応をされる可能性がある。時にわざと冷淡だったり、あるいはその逆だったり。いずれにせよ、コンプレックスがそうさせている」と言っていた。
日本政府の旅券発行数から見ると、ほとんどの日本人は海外に行ったことがないか、行ったことがあっても少ない。中国に行ったことのある人はほんの一握りだ。中国人に対する日本人の認識のほとんどが、メディア報道や生活上の接触に限られている。現在、日本の片田舎を訪れている中国人は、当地の人々が実物と接触する珍しい機会の1つなのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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