2012年の上海百貨店業界の単店の売上トップ20店は、合計234億1000万元(約3512億円)の売上となり、前年比0.2%減となった。11店がマイナス成長となり、その数は例年を大きく上回った。そのうち4店の減少率は10%以上に達した。
復旦大学電子商務センターの黄麗華主任は、“かつてならば、人々は実際に目にして触ったものでなければ購入しようとしなかった。しかし現在の消費者はネット上で十分な情報(成熟した評価体系、価格比較システムなど)を得ることができ、オンライン情報が実際の商品と符合しないという問題が解消された。またオンライン通販は低価格で利便性が高いといった強みを持っており、伝統的なビジネス業態を脅かし始めている。一部の伝統的な商店は、見るだけで買わない『試着室』に成り下がっている”と指摘した。
京東商城の劉強東CEOは、“ECの伝統的なビジネスに対する影響は避けられない。特に国内オンライン通販の取引額が1兆元の大台を突破すると、EC業界は毎年数千億元のペースで成長しているが、そのうちの多くは伝統的な小売業から流れてきたものだ”と語った。
影響はすでに表面化している。北京市の中関村IT売場では近年顧客が減少しており、一部の売場は閉店を余儀なくされている。上海で有名な徐家匯のショッピング街でも、多くの大型売場の売上が減少している。劉CEOは、“家電、電子製品、書籍、化粧品といった基準化された商品でECが占める市場シェアは、将来的に70-80%に達する可能性がある”と予想した。
東方財富網の創始者の其実氏は、“伝統ブランドは低姿勢になり、インターネットのチャンスを掴むべきだ。ECからの影響を逆戻しにすることはできず、伝統ブランドもネット事業を手がける必要がある”と提案した。