中国移動(チャイナ・モバイル)の李躍総裁は、“伝統的な通信キャリアの事業は強い衝撃を受けており、特に微信などから受ける圧力が大きい。これらの事業は、通信キャリアのこれまでのショートメッセージ・通話・国際電話事業を脅かしている”と述べた。
市場調査会社iiMedia Researchの張毅CEOは、“これまでの微信に対するイメージはトランシーバーで、通話をする両者の言葉を相互に伝えていたため、交流に遅れが生じていた。これではボイスメールと同じで、サービスの品質が高くない。しかしリアルタイム通話が提供されると、音声がリアルタイムで伝えられるようになった。同時に一人の相手としか通話できないが、サービスの品質が格段に上昇し、携帯電話を使っての通話と本質的な差はなくなった”と指摘した。微信は通信キャリアのルートを利用し、自社の無料通話事業を構築した。これは通信キャリアの伝統的な通話事業にとって、“致命的な打撃”となっている。
-通信キャリアの対策は?
微信は大胆なイノベーションにより、ユーザーに提供するサービスはユーザー数が最多の“手機QQ”(テンセントが提供するインスタントメッセンジャー、手機=携帯)に、まったく引けをとらない。多くのユーザーは手機QQから微信に鞍替えしており、手機QQの“微信化”を引き起こしている。微信と手機QQという自社アプリの競争により、手機QQのイノベーションが促されている。最新版の手機QQは通話機能が搭載されており、ページのデザインも微信に近づいている。人々の日常交際範囲の安定性により、手機QQと微信の境界線が、日増しに曖昧になっている。
通信キャリアが対抗すべき相手はすでに微信のみではなく、微信と手機QQによる“微信同盟”だ。