安倍晋三首相は昨年末の就任より、大規模な金融緩和を推進した事を受け、円相場が短期的に下落した。昨年1月と比べ、円の対米ドルレートは10%以上低下した。日本は輸出商品の約6割を、輸入の約8割を外貨で決済している。そのため円安は日本の貿易にとって、諸刃の剣と言える。円安は輸出企業の業績改善を促すが、その一方で米ドルなどの外貨による決済コストも増加する。
統計データによると、日本の1月の輸入額(円建て)は7.3%増となったが、輸入商品の数量は前年同月比1%減となった。円の対米ドルレートが下落したため、円建ての輸入額が急増したことになる。輸出にも同じ事が起きている。1月の輸出額は6.4%増となったが、輸入商品の数量は6%減となった。現時点では、日本の貿易収支に対する円安の改善効果は、限られていると言える。
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