かつて一人前の男性には「家をととのえ、国を治め、世の中を平和にする」ために働くことが求められていた。今ではほとんどの人が「家がととのい、国が治まり、世の中が平和」であれば十分と考えている。だが問題は、中国の男女比は115対100に達しており、配偶者探しは男性にとって至難の業だというところにある。中国社会の伝統的な考え方では、男性は立派な仕事をするべきであり、特に年配の人々にとっては、家を買ったり車を買ったりするのは「男の甲斐性」であって、「家を買ってから結婚する」のは当たり前のこととされている。
不動産価格が高いことについて、一部の学者は原因を地価の高さ、不動産市場のバブル、投機的な住宅購入の氾濫などに求めるが、実はこれらは問題ではない。男性が多く、女性が少ないので、独身男性は家を買わなければ結婚できず、こうした「確実な需要」が不動産市場の動きに大きな影響を与えている。
独身男性の出費の中で、不動産価格は確かに大きな部分を占めるが、日常の細々した費用も軽視できない。恋愛にもコストがかかり、支払えない人は大勢いる。最近、ある結婚情報サイトの共同計画出産委員会が発表した「2012-2013年中国男女結婚恋愛観調査研究報告」によると、女性回答者の4割以上が理想のボーイフレンドは月収5千元以上の人と答え、4千元以上とした人は18%、3千元以上とした人は10%に上り、1万元以上とした人も10%を超えた。月収が2千元に満たなければ対象外になるという。
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