経済面の障害の他に、地政学的な要素も目に見えない形により、交渉の進捗を妨げている。まず3カ国の政治的な信頼関係が脆弱であり、提携交渉の際に回りくどい手段を取る可能性がある。このような局面は第二次世界大戦後から現在まで続いており、これを容易に変えることは困難だ。次に日本は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で中国と争いを続けており、日韓の間でも独島(日本名・竹島)の領有権に関する対立があり、韓国と中国の間でも黄海の漁業を巡る係争が生じている。3カ国の領土問題は、FTA交渉を決裂させる要素となっている。中国の経済力の強化に伴い、日韓の中国に対する心理にも変化が生じているが、これは特筆すべきことだ。日韓は中国の成長から利益を得ようとする一方で、中国の実力強化により自国の脅威となることを懸念している。このような複雑な心理は、交渉に多くの不確定要素をもたらすだろう。
「人民網日本語版」
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