中国人の民族性について、一言で簡単に言う事は不可能だ。広大な土地・物産と多くの人口を擁する中国については、「一事が万事」とあっさりと結論づけてはならない。しかし、だからといって、「中国人は理解しづらい」と思う必要もない。中国人の特徴は、割と簡単に見つけることができる。彼らは確かに、他の民族と違う点を多く持っている。
著者はかつて、「海外在住中国人の団結力が、海外在住韓国人より強い理由」をテーマとした取材を行ったことがある。しかし、シンガポールとインドネシアで取材するうちに、実情はそれとは全く違うと感じた。現地に住む中国人にとって、「団結」と「個人的な繋がり」とは必ずしもイコールではなかった。必要のある時には団結するが、それ以外の時は特別親しい訳ではない。このような状況は、彼らの育った環境・歴史・文化などと関係するのかもしれない。ある中国人研究家は、「中国人はまとまりのない民族だ。中国人自身も、『中国人は一人だと竜だが、三人揃うと豚以下になる』と自嘲している」との見方を示した。
中国に来た後、中国人が雑談中に「自分達の民族意識が韓国人に比べて強い」と誇らしげに語ると、それを聞いた相手は軒並み、納得がいかないといった様子で、「アジア金融危機が起こった時、韓国国民は全員、募金活動に参加した。日韓ワールドカップが開催された時、韓国国民は全員応援団となった。また、韓国人は韓国車しか買わないことから見ても、中国人は、愛国・自強・団結の精神を韓国人から見習うべきだ」と反論した。筆者が知り合った中国人のほとんど全員が、いくぶん形式的な物の言い方であったにせよ、「これは、適当にあしらって済ますことはできない意見だ」と認めていた。
このことから、中国とフェアな交流と競争を繰り広げる過程において、韓国は持ち前の「団結の精神」を発揮することができる。と言うより、中国人や日本人にとって、成功するために団結する必要は、特にないのかもしれない。しかし、2つの強国に挟まれた韓国にとって、団結しないで「緩んだ状態」にあることは、まさに「贅沢」なのであろう。
「人民網日本語版」
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