だがこうした状況でも、大都市に残る、または流入する人の方が多いのも事実だ。経済学者の辜勝阻氏は先日のインタビューで“中国は『大都市病』の集中発生期に入り、住民生活と都市の発展に対するマイナスの影響が日増しに顕在化している。大都市に働きに出る人の多くは良い居住環境を得られず、完全な社会保障も享受できず、生活の質は郷里に及ばない”と指摘した。
住宅購入地と居住地が別という選択は、小都市や農村で大量の住宅が放置されるという無駄も招いている。特に農村部の状況は深刻だ。九三学社が先日発表した報告によると、農村では住宅建設ブームが起きているが、4分の1の住宅は誰も入居していない。
郷里に住まないUターン住宅購入者は、購入した住宅に両親を住まわせることが多い。先日発表された“中国高齢者事業発展報告”によると、60歳以上の高齢者は昨年末で1億9400万人に達し、うち9900万人が独居老人だ。子どもは住宅を購入しても一緒に住むわけではない。独居老人問題は依然解決の道が見えない。
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