天津で列の先頭に並んだ離婚予定者は午前2時頃に布団持参で婚姻登記処前に来た。もう1カ所列ができているのは、住宅取引所だ。ある幹部は中国青年報の取材に「今回の政策で最も大きな影響を受けた機関はこの2つでしょう」と述べた。離婚行列は全国共通の現象で、住宅価格が高い大都市ほど顕著で、元々住宅価格の安い小都市は影響は小さめだという。
この現象は今はもう見られない。4月に入ると離婚率は落ち着き、正常な状態に戻った。現在天津市で離婚手続きを行う夫婦は1業務日当たり100組前後。ピーク時には1日300組を超え、結婚登記数を上回った。これと対照的に、今年1月には最も少ない日は60組しか離婚しなかった。
結婚窓口から離婚窓口に臨時異動していた登記員たちは、ようやく元の職場に戻ることができた。「離婚する考えがある人たちは、もうみんな手続きが済んだんです」とある職員は言う。現在彼らは「離婚ブーム」後に予想される「復縁ブーム」への準備をしている。住宅売買のために離婚手続きをした夫婦は、その圧倒的多数が取引成立後に婚姻登記処に戻ってくるのだという。実際、先月すでにこうした夫婦が現れた。
婚姻登記機関職員の張嵐さんは今回の離婚ブームについて、民度の向上が待たれることを浮き彫りにするもので、国の信頼確立が差し迫って必要と考える一方で、離婚の段階までいたる人の多くは無力なのだとも感じている。本当の金持ちは、頭金や住宅ローンの問題を考える必要がないからだ。
張さんは、国は国民に民度の向上を求めるだけではなく、より科学的な制度設計をして、「二次災害」の発生を防ぐべきだと指摘した。
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