劉副主任の説明によると、ADBの性質や主旨は世界銀行により近く、開発援助機関に属すものだ。一方、IMFは主に国際金融の調整機関だといえる。世界銀行は世界の発展途上国を対象とし、ADBはアジアの発展途上国を対象とする。ADBは中国でも支援プロジェクトを行っており、実施地域は中部・西部の経済が発達していない地域に集中し、主として現地でインフラ建設を行ったり、少額の融資を提供したりして、貧困扶助プロジェクトを支援している。これまで中国は最大の被支援国だったが、現在では経済が順調に発展し、被支援プロジェクトは減っている。現在、ADBの支援プロジェクトは東南アジア諸国に集中する。今後もADBの性質は変わらないとみられるが、株主制度のような統治機構は変化する可能性がある。中国とほかのアジア諸国が発展すれば、ADBでの影響力も徐々に高まるとみられる。中国は自身の能力の高まりに伴い、能力に見合った責任を引き受けるようになることが予想される。出資額が多くなれば、日本と同じように主導的役割を果たすことができるが、それがいつ実現するのか予測することは難しいという。
「人民網日本語版」
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