中国政府は昨日「中国人権事業の進展2012」白書を発表した。1991年の「中国の人権状況」白書以降、10冊目の人権白書だ。(文:趙正群・南開大学法学院教授、人権研究センター研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
白書は現代中国の人権状況を具体的に総括し、中国人権事業の発展の基本的過程および人権分野の主要成果について述べ、中国人権事業の発展を記録する重要な編年史資料となっている。2009年の「国家人権行動計画(2009-2010)」、2012年の「国家人権行動計画(2012-2015)と共に、現代中国の国家人権公文書を構成するものだ。
2009年の「国家人権行動計画」によって「国は人権を尊重し、保障する」との憲法の原則が実行に移されたとするなら、今回の人権白書は第18回党大会の精神の鮮明な具体化だ。白書は第18回党大会報告で打ち出された全体構成「五位一体」と構成的に一致し、経済、政治、文化、社会、エコ文明建設における人権保障を総括している。この「五位一体」の中国人権事業発展の新たな道筋と態勢は中国人権白書の新たな構成となり、中国人権事業発展の制度革新をはらんでいる。
過去9冊の人権白書を振り返ると、2009年以前は中国の人権公文書は具体的人権に多く注目してきたことに難なく気づく。注目の順序は基本的に「人民の生存権と発展権」「市民的及び政治的権利」「人権の司法保障」「経済、社会、文化的権利」「女性や子どもの権益」等々だ。ずっと変わらないのは、生存権と発展権が常に各人権白書の筆頭に掲げられていることだ。これは一貫して生存権と発展権を「最重要人権」または「各人権の最上位に置く」中国の人権思想と人権発展戦略の現れだ。
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