■日本経済の黄金期を偲ぶ
亀田さんは最後に、参加者達を海辺に案内し、近くの対岸の工場群の夜景について語った。無数に煌めく照明に照らされた巨大なコンビナートが醸し出す懐かしき幻想的なシーンに、参加者らは歓声を上げた。日本人の友人は教えてくれた。年配の人達にとって、この光景は高度成長期の想い出であり、若者の目には、コンビナートの夜景はハイテク映画、ゲームに描かれる未来的な光景と映る。このまったく飾り気のない旅から得られるものは限りなかった。コンビナート夜景ツアーの最大の意義は、日本の人々が、日本経済の主柱をかつて担った製造業の精神と伝統をより深く認識、理解できることだ。あるいは、深刻になるばかりの日本の産業空洞化を阻止するのに、ポジティブな効果があるかもしれない。
近畿大学で景観工学を研究する岡田昌彰教授は、「80年代からコンビナート夜景に注目する愛好者が増えている。工業地帯に足を運び、縦横無尽に交錯する配管や巨大なタンクを目にし、また複雑で精緻な工場内で、仕事に夢中の労働者の肉体から一種のストイックな独特の美的感覚が体感できる」と述べている。
「人民網日本語版」
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