日本の軍事アナリストは、岩崎氏の指摘した重要な意義について次のようにまとめた。
(一)日本が初めて陸海空自を離島奪還の実戦演習に同時派遣し、米軍もMV22Bオスプレイを実戦訓練に初めて投入した。これは日米離島奪還作戦の緊密化・一体化の加速を示すものだ。同演習は異例にも、「ひゅうが」を利用したオスプレイの着艦と格納庫への収納を実施し、米日が今後の離島奪還作戦で「ひゅうが」とオスプレイを共同使用することを示した。
(二)日本が海軍陸戦隊の建設を加速する。同演習で西部方面普通科連隊が中隊の主力部隊を投入した。西部方面普通科連隊は名称通りの「普通」な連隊ではなく、2002年3月に設置された、離島の突発的な事態に対応する日本唯一の精鋭部隊だ。
西部方面普通科連隊は最先端の武器を持ち、隊員も精鋭ぞろいだ。指揮本部の他にも、管理中隊および3つの作戦中隊を持つ。管理中隊には情報偵察分隊、大型迫撃砲分隊、通信輸送・医療分隊がある。主力部隊となる3つの作戦中隊の下には3つの突撃小隊があり、また小型迫撃砲小隊と対戦車小隊がある。西部方面普通科連隊は2005年より、米海兵隊と「アイアンフィスト」と呼ばれる軍事演習を実施しており、昨年末にはグアム島で米海兵隊と共同で、初の離島奪還実戦演習を実施した。西部方面普通科連隊は長崎県相浦駐屯地に駐留しており、佐世保第2護衛隊群海軍基地から近く、有事の際に海上自衛隊の艦隊を使用し離島奪還作戦を実施できる。
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