○「高層ビルの呪い」は真実?
世界一のビルだけではなく、あらゆる高層ビルにも「呪い」の効果あり
独ドレスナー銀行のアナリストだったアンドリュー・ローレンス氏は、かつて、「高層ビルが建設されるとその国の経済バブルが崩壊する」という法則を発見した。
ローレンス氏は、「ニューヨークのクライスラービルが1930年に竣工、エンパイアステートビルがその翌年の1931年に落成し、世界一の超高層ビルとなったが、世界大恐慌が始まる直前だった」と分析した。1970年代、ニューヨークの世界貿易センタービル(ツインタワー)とシカゴのウィリス・タワーが完成したが、これは1974年の第一次オイルショックの前兆となった。1997年、クアラルンプール(マレーシア)のペトロナス・ツインタワーが世界一の超高層ビルとなったが、その後アジア全体を巻き込む金融危機がぼっ発した。その後、2010年にドバイ「ブルジュ・ハリファ」が竣工、世界一となった。これはまさに、世界金融危機の時期と一致した。ローレンス氏は、「一般的に、超高層ビルをはじめとする各種高層ビルの建設は、巨額の資金を調達しやすいバブル期に着工するが、最後には衰退の一途を辿る」と指摘していた。
ローレンス氏が発見した法則は果たして真実なのだろうか?復旦大学の孫立堅教授は、「これは極めて面白い現象だが、高層ビルは新技術のシンボルにすぎない。どのくらい高い建物を建てられるかというのは、あくまでも最新技術の体現であり、市場のバブル崩壊や金融危機の引き金となるという相関関係は、必ずしも認められない。このような言い方の裏には、世の中の注目や人気を集めようという目論みがあるのだろう」との見方を示した。
南京大学商業学院の宋頌興教授は、「高層ビルの建設ラッシュは、不動産バブルの拡大に結び付いた。地方政府は高層ビル建設熱に対処することができず、冷静に判断することなく、むやみやたらに高層ビルを建てまくる。通常、これが坂を転げ落ち、衰退するきっかけとなる。これまでにも、海外でいくつかの先例があった」と指摘した。
「人民網日本語版」
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