むかしむかし、ぺルシアに、カシムとアリババという兄弟がおりました。
兄のカシムはお金持ちで、弟のアリババは貧乏(びんぼう)な木こりでした。
ある日、アリババがロバを連れて森へ行くと、馬の足音が聞こえてきました。
見ると馬に乗った男たちが、近づいてきます。
(おそろしい顔をしている。きっと、悪い奴らにちがいない)
アリババはロバを連れて、あわてて物かげにかくれました。
そっと数えると、男たちは四十人います。
やがて親方(おやかた)が、岩の前に立って言いました。