アリババは金貨をロバにつむと、急いで家に帰りました。
その夜、アリババはカシムの家に、マスを借りに行きました。
(貧乏人が、何をはかるのだろう?)
そう思ったカシムは、マスのすみっこに、こっそりとのりをぬっておきました。
そしてアリババから返ってきたマスには、のりにくっついた金貨が一枚はりついていたのです。
カシムは、すぐにアリババの家に行きました。
「おい、この金貨をどこで手に入れたんだ!言わないと、役人に言いつけるぞ!」
仕方なくアリババは、宝のありかを教えました。
(これは良い事を聞いた。よし、その宝を一人じめにしてやろう)
カシムはロバを引いて岩山へ出かけて行くと、教えられた通りに、
「ひらけ、ゴマ!」
と、言いました。
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