北京の周囲を走る高速道路11本と北京市内を繋ぐ北京大外環高速道路の建設計画に続いて、北京市と河北省の交通一体化も今後加速しそうだ。北京市計画委員会はこのほど、郊外を走る全長1000キロの鉄道を建設し、北京の中心と郊外のニュータウン11カ所、および周辺都市を結ぶ「1時間都市圏」を構築することを検討中であることを明らかにした。実現すれば、燕郊から北京の中心部に通勤する時間が2-3時間から1時間に短縮されることになる。南方日報が報じた。
ニュータウン11カ所を結ぶ1000キロの郊外鉄道建設へ
同委員会によると、市内中心部の渋滞やニュータウンの発展をめぐる問題を解決するため、新たな地下鉄・都市鉄道網の計画において、1000キロの地下鉄・都市鉄道に加え、1000キロの郊外鉄道を建設することを検討している。
北京市は現在、「2020版地下鉄・都市鉄道建設計画」の制定を急いでおり、全長1000キロに及ぶ9路線の建設を計画中だ。同鉄道が開通すれば、列車を時速160キロで走らせ、市内中心に1時間で到達できるという。
北京市重大プロジェクト建設指揮部弁公室の楊広武チーフエンジニアは取材に対して、「既存の郊外鉄道路線以外に、同計画で新たに建設が予定されている路線は、同市のニュータウン11カ所を結ぶ。うち、S6線は順義区、通州区、亦庄開発区、黄村鎮、房山区などのニュータウンを結ぶ」ことを明らかにした。
注目すべきは、同市の計画では、郊外鉄道が市内中心部の地下鉄網とも結ばれることで、利用者にとっては非常に便利になる。将来、新たな地下鉄路線、特に市内から遠い郊外の路線では主要駅でのみ停車する快速列車方式が採用される計画で、運行速度が向上すると期待されている。
一方、同市政府が近年頭を痛めている問題は「渋滞」だ。中国都市計画設計研究院の張国華教授は、「渋滞の根本的な解決策は、都市の公共交通機関の水準を全面的に向上させること」と指摘している。2013年6月の時点で、北京の地下鉄・都市鉄道は全長456キロで、1日当たりの利用者が平均延べ1100万人を超えている。どちらも世界1の数字だ。
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