【英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)=18日】中国共産党、改革の成果の拡大を狙う
中国の指導者は「改革こそ経済の最大のボーナス」と好んで言う。共産党はこのスローガンを充実させ、多方面にわたる改革計画を宣言した。同計画によるボーナスは経済の急成長を今後10年は維持させるとアナリストは指摘する。
中国政府は必要ではあるものの、難しい政策調整の実施を望んでいないという批判をよく耳にする。15日に改革の青写真が発表されるや、習近平主席のこうしたイメージは一変した。
依然として細部の不十分な点は多く、実施の過程でも困難が予想されるが、不動産税(固定資産税)の徴収や国有部門を民間資本に開放するなど習政権は先延ばしにしてきた経済政策を実行に移すつもりだ、と今では多くのアナリストがみている。
中国経済の長期的な見通しは明るいとアナリストは口を揃えて言う。彼らの楽観視が投資家にも伝わり、上海総合指数はこの2日で約5%急伸した。
変革が一瞬で実現することを誰も期待していないが、中国の政策が正しい方向に向かっていることに皆がほっとしている。カナダの資産管理会社の劉納氏は「一連の計画がこの5年間、慎重かつ有効に実施できれば、中国は今後10年は7%の成長率を維持するにちがいない」と指摘する。
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