―事前に周到な準備がなされた感動ステージ
「箱根駅伝」の正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」といい、東京から箱根までの往復約217キロの区間を10区間に分けてタイムを競う。大会は2日間に分けて行われ、参加者は全員現役大学生。毎年関東地方の約20のチームが参加し、そのうち、前年度に10位までに入った大学はシード校として直接出場権を取得し、その他のチームは予選で選抜される。
試合のルールから企画・宣伝まで、「箱根駅伝」はまるで事前に隅々に渡って周到な準備がなされた感動のステージだ。競技中、選手たちは各校の特製のユニフォームを身にまとい、絆を象徴する襷を肩にかける。1本の襷に、仲間との友情だけでなく大学全体の名誉がかかっている。大会のルールの1項に、トップ通過から20分が経過しても、走者が各区間の中継所に到着しない場合は繰り上げスタートとなり、襷を渡すことができなくなるなる。中には足を引きずりながらも懸命に走ったが、已む無く制限時間に達し、チームのメンバーと泣きながら抱き合うシーンや、コーチが沿道で校歌を歌いながら選手を激励するシーンが見受けられ、沿道やお茶の間に大きな感動を呼ぶ。
「箱根駅伝」で優勝したとしても、チームは何ら賞金を得ることはなく、彼らは自分たちの絆と栄誉のためだけに走る。日本の学生や学校はそんな目に見えない栄誉を非常に重んじるのだ。今年優勝した東洋大学は、日本でエリート大学ではないもののマラソンでその名を全国に知らしめている。「箱根駅伝」のために陸上部を設けた大学も少なくない。
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