一方、パナソニックやシャープは、ひとまず安心といったところだろうか。同2社は、2014年3月期の連結決算(2013年4月1日-2014年3月31日)で、3期ぶりの黒字に転換しそうなのだ。まず、パナソニックは4月28日、2014年3月期の連結決算を発表し、売上高は前年同期比5.9%増の7兆7400億円、営業利益は同比89.6%増の3051億1000万円だった。純利益は1204億4200万円と3年ぶりの黒字となった。シャープは今現在、業績をまだ発表していないが、2月には2014年3月期の連結営業利益予想を2兆9000億円と上方修正した。うち、営業利益が1000億元、純利益が50億円との予想だった。
シャープの業績が黒字に転換したのは、世界で初めて成功した省エネの「IGZO(イグゾー)」液晶の量産が軌道に乗ったことや、独自のプラズマクラスターイオンを搭載した空気清浄機などの白物家電が好調だったことが挙げられる。しかし、テレビや携帯などの事業は目立った好転はなかった。パナソニックも、黒字に転換したのは組織再編や住宅、自動車関連の販売が好調だったからで、家電事業の貢献は少ない。
日本企業のテレビ事業が低迷する中、韓国企業は同分野の業績を伸ばしている。最近、サムスンとLG電子がそれぞれ第1四半期(1-3月)の業績を発表しおた。まず、サムスンは4月29日、同期の業績を発表。ハイエンドスマートフォンの需要減退により、営業利益が前年同期比で3.3%減の8兆4900億ウォン(約8200億円)だったものの、中・低価格のモバイル端末の需要向上やテレビの販売が好調だったため、売上高は、前年同期比3%増の53兆6800億ウォン(約5兆3330億円)だった。純利益も同比5.86%増の7兆5700億ウォン約7570億円)だった。一方のLG電子も、4月29日に発表した同期決算によると、営業利益は前年同期比44%増の5040億ウォン(約500億円)となり、2012年第2四半期以来の高水準となった。アナリスト予想の2790億ウォン(約270億円)を大きく上回っていた。大画面テレビの販売が好調だったことや、原料コストが低下したことが、同期の大幅増益につながった。テレビ事業の営業収入は第二四半期(4-6月)も増加すると予想されている。
業績を見ると、消費電子製品の分野における韓国企業の優勢は明らかだ。一方、日本企業の衰退を背景に、世界の家電産業は転換期に入っており、中国企業にとってはチャンス。課題を乗り越えてそのチャンスをつかまなければならない。
「人民網日本語版」
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