▽理性的消費が価格の回帰を呼びかけ
価格に疑問符が打たれたぜいたく品はグッチとヴィトンだけではない。今年5月には、1万元を超えるアルマーニのスーツやジャケットについて、材料がファッションの都イタリア製でなく、中国・山東省の企業が作ったもので、コストはわずか数百元だと報道された。この企業は同じく世界トップブランドのヒューゴ・ボスやエルメネジルドゼニアにも材料を提供しているという。
ぜいたく品に詳しいフォーチュン品質研究院の周婷院長は、「これまでぜいたく品は相対的に閉鎖された市場の中にあり、消費者はブランドの製造原料やブランドの位置づけなどを知ることができず、価格やブランドイメージなどから品質を判断するしかなかった。『高価なものはよいもの』というぜいたく品ブランドの経営モデルはこれまではずっと成功を収めてきたが、今やインターネットや情報化の発展によって、閉ざされていた情報が白日の下にさらされるようになり、消費者やメディアから疑問が寄せられるようになった」と分析する。
また周院長は、「グッチのコストがわずか24ユーロという言い方は正確ではない。これは生産のさまざまな段階の中の一部分だけのことであり、ほかの多くの段階のコストを計算に入れていないからだ。これらの製造コストが販売価格に占める割合は小さな数字になることは間違いない。一連のぜいたく品は営業販売のコストが50~60%にもなる」と話す。
ぜいたく品の利益率は今、全体として低下傾向にあることは否めない。分析によると、国内市場であれ国際市場であれ、ぜいたく品のコストに対して疑いのまなざしを向ける人はますます増えており、これは一つの側面から消費者の理性的な態度を反映するものといえる。周院長は、「将来的に、ぜいたく品は理性的な本質に回帰し、グローバル価格システムをバランスの取れたものにするべきだ。その次にやるべきことは製品とサービスをしっかりしたものにすることで、広告やイベントでブランド市場を盛り上げるべきではない」と話す。
「人民網日本語版」
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