▽中国企業に対する欧州の見方を転換
ドイツのプツマイスター社の買収について聞かれると、向文波氏は、まだはっきり記憶していると証言した。「2011年12月、彼らのCEOが我々を訪ねてきて、顔を合わせるなり鞄から分厚い資料を取り出し、企業を売却したいと語り始めた」
今回の買収は三一にとって海外での初の買収であり、中国がドイツで行う最大の買収ともなる
プツマイスター社は1958年に設立され、業界内では、世界のセメント機械の代表ブランドとして「巨象」との愛称もある。「三一は起業の時からドイツの『巨象』を学習のモデルとしてきた。当時はこれを超えるなどとは予想しておらず、買収など夢にも思っていなかった」と向氏は語る。
だがこのことは「偶然のようでありながら必然でもある」と向氏は指摘する。三一はすでに、ドイツで「ドイツ三一」を設立しており、ここ数年は現地での努力を通じて、欧州経済が低迷する中で高い負債比率に苦しめられていたプツマイスター社が自ら買収を持ちかけるほどとなった。
三一の努力は、中国企業に対する欧州の見方を変えている。「現在も欧州企業数社と協力の交渉を続けている。最大のプロジェクトはフィンランド企業が持ちかけている買収話だ」と向氏は語る。
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