過去1カ月余りの間、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に世界は極めて強く注目した。いくつかの雑音やごく一部の国の妨害の中、AIIB創設メンバーの数は予想を上回った。冷戦思考と覇権意識を持つ者はこれを大変不愉快に思っている。だがどうあろうとも、AIIB「コミュニティ」は拡大する一方だ。創設メンバーの最終的な決定は「万里の長征」の第一歩に過ぎず、今後のAIIBは「任重くして道遠し」であることを、われわれははっきりと認識すべきだ。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、同済大学経済・管理学部教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国は提唱国として責任重大だ。AIIBは中国が積極的に提唱し、推し進めたものであり、中国色が濃厚だとある程度考えられていることは否定できない。これはAIIB設立に少数の国が反対した理由でもある。世界に公共財を提供し続け、アジアと世界のために一層の貢献を果たし、一層の責任を担うべく努力し、ウィンウィンの協力体制を構築し、アジアと世界の共同繁栄を実現することが中国が真に追い求めている目標だ。AIIBが包括性と開放性を備えることは、同時に調整の難しさも意味している。続くAIIBの規約制定、ガバナンス機構・体制、マネジメント・イノベーションの設計において、AIIBはいかにして世界銀行やアジア開発銀行など既存の国際開発銀行の優れたやり方を十分に参考にするか。いかにして一致して非難されるやり方を避け、国際的に通用されるルールにのっとって有効なガバナンスと運営を実現し、国際開発銀行の最良の実践の創造に努力するか。この過程において、提唱国である中国は引き続き知恵を出し、各国の利益をうまく調整し、57カ国の創設メンバーの権利と利益がいずれも尊重され、実現されるよう努力する必要がある。
|