また、広く関心が集まったのは環境問題だ。確かに、中国はこれまで「まず汚染、対策は後回し」という遅れた発展プロセスを経てきた。だが、今の中国は持続可能な発展を可能とする理論と実践を備えており、「金山銀山を求め、さらに、青山緑水(セイザンリョクスイ)を求めるのではない。青山緑水こそが金山銀山だ」の言葉の通り、環境保護に対する理念は、人々の心に深く浸透しており、どのようなインフラ建設プロジェクトも、スタートする際には、厳しい環境保護基準をクリアしなければならない。ましてや、AIIB創設メンバーには、ドイツのような世界トップの環境保護の「達人」が入っており、今後、インフラ建設プロジェクトが環境を汚染する恐れがあるといった悩みが生じる可能性など有り得ない。環境保護を疎かにすることは、中国やドイツはもちろん、全参加国にとって断じて許されないことだ。このような状況から、AIIBの初のインフラ建設プロジェクトが高く注目されることは間違いなく、AIIBの「試金石」と言っても差し支えない。
互いに力を合わせれば、必ず良い結果が生まれる。世界はひとつの「地球村」で、誰もが「運命共同体」だ。みんなに関わることは、一緒に相談して対処すれば良い。「大国」とは、地域ひいては世界の平和と発展に対して、大きな責任を担う国家のことで、決して地域や国際社会で「大きなシェア」を占めているという意味ではない。
これらのことから、AIIBメンバーが平等な話し合いを通じ、叡智を集結し、知恵を最大限活かし、公正かつ合理的な運営規則を確立することは、間違いないと思われる。規則の制定にあたっては、世界銀行(世銀)、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)、欧州投資銀行(EIB)、米州開発銀行(IDB)など各種国際金融機関の有益な経験と教訓を参考とし、AIIBの投資特色にもとづき、きめ細やかな配慮と力を結集し、正確な位置づけを意図して行われるであろう。
AIIBは、既存のADBに取って代わることはできない。ADBや世銀などの国際金融機関と共に歩み、それらに花を添え、互いに補い合い、歩調を合わせて発展し、アジア金融協力体制の構築を推進する役割を担っている。アジア金融体制プラットフォームの構築を探求し、アジアの相互連携・疎通を加速させ、アジアの経済・社会発展を促し、各方面の相互利益とダブルウィン実現を目指す。
「人民網日本語版」
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