コフィー・アナン氏は世界的に有名なベテラン外交家で、2006年に国連事務総長の任期を終え、アフリカ緑の革命のための同盟(AGRA)初代理事長に就任した。アナン氏は77歳の高齢だが、世界および地域の事業で活躍している。アナン氏は4月22日に中国外文局を訪れ、21世紀海上シルクロード、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などの話題を巡り、中国網の王暁輝編集長の独占インタビューに応じた。

　中国網：「世界秩序を救え(Saving Global Order)」という文章の中で、世界銀行と国際通貨基金が依然として欧米主導となっており、新興経済体の利益の需要を十分に反映していないと指摘されました。中国は昨年、AIIBの創設を提唱しました。AIIBはインフラ投資、アジア太平洋の相互接続に対して、どのような力を発揮すると考えていますか？

　アナン氏：私は世界銀行と国際通貨基金の改革が必要不可欠だと考えている。これらの枠組みが反映しているのは1945年の状況であり、大昔のことだ。現在の世界は当時とはまったく異なっており、多くの新興国と新たな分野が登場しており、その影響力を無視できなくなった。世界に変化が生じれば、それに応じて組織体制にも調整を加えるべきだ。これを無視するならば、より深刻な問題が醸成される。世界にはインフラ整備に対する旺盛な需要が存在するため、AIIBは積極的な力を発揮すると思う。アフリカを例とすると、アフリカ発展の2つの障害は、インフラ整備の遅れとエネルギー不足だ。アフリカがこの2つの問題を解消できれば、天地を覆すような変化が生じる。アジアも同じ苦境に立たされている。世界銀行や国際通貨基金、またAIIBにはやるべき多くの仕事が残されている。彼らが互いに協力し、相互補完することに期待している。私はまた、アフリカを忘れるべきではないと思っており、新たな計画や銀行の新設によりアジアと各国の利益が創出されることに期待している。AIIBが事業をアジア以外にも拡大し、アフリカで事業を展開できればと思う。私はAIIBの発展が、私の想像と合致することを信じている。一部の人はAIIBの設立が、世界銀行や国際通貨基金との激しい競争を起こすと判断している。しかし私は、手がけることのできる多くのプロジェクトが存在するため、これを楽観視している。