中国人の家計の主導権は事実上、大胆な投資で話題の「大媽」(ダーマー、おばさんの意)にある。生命保険会社「匯豊人寿」の発表した調査報告「未来の退職生活―なぜ家庭が重要なのか」によると、家計の主導権を自分が握っているという女性は63%に達した。家計の意思決定では女性が大きな力を持つことが裏付けられた。中国の大媽の手中にある投資可能な「へそくり」は一人当たり7万9069元(約150万円)に達するという統計もある。国際金融報が伝えた。
大媽の投資は2年ほど前から話題となっていたが、当初は素人らしい投資が多かった。それに比べると、現在の大媽の投資範囲はより広がりを増し、投資のテクニックもよりレベルアップしている。
▽海外不動産
そんな大媽の一人が今年43歳の呉秀中さん(仮名)。高校を卒業した息子がオーストラリアのメルボルン大学に合格し、入学することになった。息子によりよい学習環境を与えるため、呉さんは大学の近くに家を買うことを考えている。
オーストラリアの高等教育レベルの外国人学生受け入れ数は2014年、過去最高を記録した。このうち中国人留学生は25.9%に達し、中国は6年連続でオーストラリア最大の留学生出身国となった。
中国では、不動産購入者が子女の教育問題を考慮する場合が多く、学区付近のミドルクラスのマンションや別荘の購入を希望する人も多い。オーストラリアの不動産サイト大手「Domain」のアナリストの統計によると、オーストラリアで住宅を購入する中国人の40%近くは、学区に近いことを要求の一つとして明確に掲げている。
米ニューヨークの「舎楽不動産」の共同起業者の陳麗麗氏は次のように指摘する。「留学生家庭の不動産購入は増加の一途をたどっており、これまで減少した試しがないが、これは中国の富裕層の増加と関係している。中国人留学生の家庭の多くにとっては、海外での不動産購入の圧力はそれほど高くない。例えば米国では、学業を終えてから米国で仕事を続けることを決めた場合、留学生の保護者の多くが卒業間近の不動産購入を選んでいる」
陳氏によると、中国人の海外での不動産購入は、米国やオーストラリア、カナダなどこれまでも移民が多かった国に集中している。だが米国などの不動産市場が飽和してきたことから、投資目的の不動産業者が英国など欧州市場に転戦するケースも現れている。
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