米国国内では、今年も中国を環太平洋合同演習(リムパック)に招待するべきかに関する、激しい議論が展開されている。反対者はその理由について、中国は近年の「悪しき行為」により、褒美をもらうのではなく処罰を受けるべきだとしている。これは招待しないことで、中国に実質的な犠牲を払わせるという、一種の仮説に基づいている。米国の観点からすれば、この仮説は合理的かもしれないが、実際には問題がある。その理由は、次の三つだ。日本の英字誌『ザ・ディプロマット』が伝えた。
まずリムパックは声望が高く、中国にとっても有益ではあるが、中国は参加する必要があるわけではない。リムパックは海軍の演習に過ぎず、各国の海軍の協力により団結を印象づけるのが主な狙いだ。ゆえに米国は2016年の軍事演習から中国を省いたとしても、実質的な損失をもたらすことはできない。
次に、中国のリムパック参加は、実際にはウィンウィンにつながる。人々はこのような活動が中米の相互信頼を促進するかを疑問視しているが、信頼構築は長期的な取り組みであり、小さな一歩から始めなければならない。リムパックは、相互信頼醸成の小さな一歩だ。米中関係はそもそも脆弱であり、両国の軍事関係はさらにもろい。ゆえに軍事関係の改善を促すことであれば、事の大小に関わらず、反対ではなく支持するべきだ。
最後に、米国は中国の南中国海における日増しに高圧的になるかに見える行為、および近年の中国全体の外交に失望している。これは理解できることだ。米国は現在、中国との有益な関係を維持することで、中国の台頭がもたらすメリットをつかみ続けると同時に、アジアにおける主導権を手放さないにはどうすべきかというジレンマに直面している。米国で先ほど発表された報告書は、力を増し豊かになる中国は、米国をアジアから追い出す決意を固めたとしている。この説は大間違いだ。中国にはその能力も意図もない。
ゆえに自信と安心感を持つ米国は、中国のリムパック参加を懸念するべきではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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