■愛のために「裸婚」妻の病気のため年収約460万円の仕事を辞める
小卡さん(36、仮名)は、成都で暮らす日本人美容師だ。日本ではいくらか有名だった小卡さんは著名な美容師、水梨輝彦氏に師事していた。2004年、小卡さんは会社から四川省成都市に派遣され、日本式ヘアサロンのヘアスタイリストを務めた。2006年、小卡さんは言葉数が少ない美しい成都の女性、程瑩さん(仮名)と偶然出会い、2人はお互いに一目惚れした。一般的な若い女性に見られるシャイさやぎこちなさとは異なり、大胆で勇敢な程さんに強く惹かれた小卡さんは、間もなく程さんと付き合い始めた。
程さんは小さい頃から気管支喘息の急性発作がたびたび起こり、薬で症状を抑える必要があった。しかし、国の距離や、言葉の壁、先天的な病気なども2人の感情にマイナスの影響を及ぼすことはなく、2人は間もなく結婚した。程さんと程さんの母親に付き添うため、小卡さんは日本での年収24万元(約463万円)の美容師としての仕事をあきらめ、ゼロからのスタートで成都での生活を始めた。車も、家も、貯金もなく、さらには両家の親が合うこともなく、2人は「裸婚」(家、車などがない状態で結婚すること)した。
■愛のために互いに寄り添う特別に中国語を学んだ夫
成都での夫妻の生活は、全くのゼロからのスタートだった。小卡さんは成都で美容室を開き、程さんはネイルサロンを経営した。程さんの母親は、「結婚後は、家での料理や家事はすべて小卡さんが担当してきた。しかも小卡さんは2人のコミュニケーションがスムーズになるようにと、特別に中国語を習った」と語る。
程さんと小卡さんは9年間ずっと部屋を借りて暮らしていた。この2年間で、2人の仕事や収入も徐々に安定してきたため、家を買って、子供を2人生むつもりだった。しかし、小卡さんの計画は突然のアクシデントで大きく狂ってしまった。昨年の春に、程さんの父親が肺癌で亡くなり、母親も大病を患った。心身ともにショックを受けた程さんの体調も崩れ始め、貯金もすぐに底がついた。
2015年5月4日が小卡さんの悪夢の日となった。程さんは仕事のストレスが大きく、生活も不規則だったため、もともと持病だった喘息の発作が頻繁に起きていた。5月4日、程さんの喘息の発作が再び起こり、夜の間に突然悪化した。程さんは胸を押さえ、ひどい喘息で呼吸困難に陥った。小卡さんが程さんを病院に連れて行く途中、程さんはすでにひどい痙攣を起こし、この間に程さんの心臓は一時停止した。1時間後に心臓は蘇生したが、程さんは依然として生命の危険から脱しておらず、様子をみるためにICU(集中治療室)に運ばれた。
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