中国商務部の沈丹陽報道官は6月2日の定例記者会見で、「中韓自由貿易協定(FTA)の正式な締結は、中韓自由貿易区の建設が制度設計を正式に完了し、実施段階にまもなく突入することを意味する。中韓FTAは両国の経済成長を促す新たな原動力、両国の企業と国民に利益をもたらす良きこと、アジア太平洋の経済一体化のブースターであり、よりハイレベルなアジア太平洋経済の融合の推進で重要な一歩を踏み出した」と語った。

　中国の経済成長率が0.34%上昇

　中韓FTAが6月1日に正式に締結され、2年以上に渡る交渉が成功に終わった。沈報道官は、「中韓FTAの締結は両国関係における重大事であり、節目としての意義を持つ。これは中韓自由貿易区の建設が制度設計を正式に完了し、実施段階にまもなく突入することを意味する」と述べた。

　両国政府は、協定発効後に各分野で実務的な協力を深化させ、双方の経済・貿易の高度な相互補完と融合を実現し、両国経済に尽きることなき原動力を注ぎ込むことになると判断した。国務院発展研究センターの推算によると、中韓FTAは中国の経済成長率を0.34%、韓国の経済成長率を0.97%引き上げる見通しだ。

　沈報道官は、「中韓FTAはアジア太平洋の経済一体化のブースターだ。中韓両国はアジア太平洋の重要な経済体であり、両国の経済規模はAPEC加盟国全体の25%を、貨物貿易額は加盟国全体の29%を占める。両国の高水準の自由貿易区の建設は、アジア太平洋の経済一体化の推進に対して、非常に鮮明なバロメータとしての意義を持つ」と指摘した。