フィリピンのアキノ大統領は先ほど訪日した際に暴言を吐き、あろうことか中国をナチス・ドイツに例えた。中国政府と中国人はこれに強い不満を抱き、憤っている。
アキノ氏がこのような発言をするのは、初めてのことではない。アキノ氏は2014年2月にニューヨーク・タイムズの取材を受けた際に、同じような発言をしていた。
周知の通り、ナチス・ドイツは侵略的かつ非人道的な活動に従事する者の代名詞だ。国家元首であるアキノ氏はなぜ事実と最低限の外交的マナーを顧みず、中国という第二次大戦の戦勝国に対して際限なく悪意ある攻撃をするのだろうか?
これについてはまず、アキノ氏本人の政治的な素養から論じる必要がある。家族の栄誉に浴し、アキノ氏は2010年に何の備えもせずして、大統領の玉座を与えられた。アキノ氏はそれまで下院・上院の議員を務めていただけで、しかも上院議員の3年間の任期内に議案を一つも提出しなかった。マラカニアン宮殿に移ると、このおぼっちゃまの大統領はわがままに振るまい、数々の「壮挙」を成し遂げた。香港人拉致事件でアキノ氏が見せた「微笑み」は、人々によく知られている。2013年11月にフィリピンが台風ハイエンに見舞われ、ある店主が被災地で略奪が発生し政府が対策に乗り出していないと批判すると、被災地を視察していたアキノ氏はなんと「あなたはまだ死んでないんだろう」と答えた。アキノ氏の一貫した身勝手な振る舞いを考えれば、荒唐無稽な暴言を吐いたとしても驚くには値しない。
アキノ氏の発言は、彼が中比関係を正確に認識・処理できていないことと関連している。中比関係を対話で処理する歴代大統領の政策と異なり、この大統領は就任当初より強硬な対抗政策を打ち出した。そればかりかアキノ政権は米国と日本を頼りにし、米国と防衛協力強化協定を締結し、日本と訪問軍協定の交渉を開始した。米日の軍事力をフィリピンに招き入れ、米日とグルになり中国と対抗しようとしている。しかしアキノ政権は、米日の力を過大評価したようだ。米日は確かにアキノ政権に中国対抗をそそのかしているが、中比の南中国海の係争にいかに介入するかは、フィリピンではなく自国の国益を基準とする。またアキノ政権は中国政府と中国人の、国家の領土・主権を守る意志と決意を過小評価している。中国が南中国海で実施中の正当な島嶼建設工事を強く危惧しているが、アキノ政権には為す術がない。ゆえにアキノ氏のナチスに関する発言は、慌てふためく心理を露呈したものだ。
騒然とする中、フィリピンのマニラタイムズ紙はこのほど、「大統領が中国に不要な挑発」と題した社説を掲載し、「この中国に対する公然たる挑発はまったく不要に見え、これによってどのような国益を守ろうとしているのかも不明だ。フィリピン政府の行為は、南中国海情勢を悪化させている。米国はこの地域における海軍の存在感を強め、中国に対する発言もより過激になった。アキノ政権は危険な火遊びをするべきではない。大国が衝突する際に、フィリピンのような小国は押しつぶされてしまうかもしれないからだ。アジア太平洋の不安定は、地域全体の脅威になり、フィリピンの経済発展を脅かす。これはより重要なことだ」と論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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