現在、南中国海、インターネット、IT市場への参入など敏感な点において中米間には確かに摩擦があることから、両国の戦略対話はとりわけ重要だ。米国は国際水域・海域の航行の自由を特に重視し、中国は国家の海上主権と権益が確保されるかどうかに大きな関心を寄せており、双方の立場には違いがあるが、大きく重なる点もある。戦略対話を通じて、両国は双方の利益を同時に満たす最大の協力の可能性を見出すべきだし、見出すことができる。米高官は最近、中米は共にサイバーセキュリティーの被害者だと指摘した。これは根拠なき一方的な対中非難と比べて明らかに建設的だ。同じ方向に向かう過程において、戦略対話は互いに不満を抱くのではなく、互いに耳を傾け、成果を挙げる重要な機会となる。
新型の大国関係を構築するには、中米は共に努力しなければならない。新型の大国関係は従来型の大国関係とは異なり、圧倒的な優勢を図るのでもなく、上下関係を築くのでもなく、鋭意進取し、自発的に対立を回避し、協力と相互信頼の強化に力を入れるものであるため、持続性と対等性をより備える。中米が毎年ハイレベルで、複数の省庁が関わる対話を行い、重大な問題について「ベクトルを合わせ」、立場を明らかにし、双方共に同意できる「標準時」を探ることは、両国関係を緩和・改善し、協力継続への認識を揺るぎないものにするうえでプラスであり、アジア太平洋諸国に地域の安定を確信させるものともなる。
今回の対話は経済面でも同様に戦略的価値を備える。双方はマクロ経済政策と構造改革、貿易・投資促進、金融市場の安定・改革という三大議題について会議を行う。米国が現時点でアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するか否かに関わらず、中米両国がアジアと世界のインフラ整備で協力する必要があるのは明らかだ。米国が年内に「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」を始動できるか否かに関わらず、中米両国は双方の投資円滑化および国際貿易基準の深化に向けて協議するとともに、米国による早期の人民元の市場地位承認について合意する必要がある。中米が戦略面で「ベクトルを合わせる」ことは、確実に両国と世界を利する。
「人民網日本語版」
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