易綱氏は、膠着し固定化した為替レートは中国の国情に合わず、持続もできないと強調。弾力性のある為替相場は経済発展や国際収支の安定器になるため、そのような相場システムこそが長期的な経済発展に有利だとした。アンバランスな状態を調整することで、全体の経済発展や国際修正のバランスを取ることができると述べた。
「中央銀行は常に関与する状況から脱却すべきだ。外部からの衝撃があったときや管理範囲から出そうなときにおいてのみ有効な措置を採る」と同氏は言う。
外貨準備が3兆9900億ドルから3兆6500億ドルに低下したことについて、易綱氏は3つの要因を挙げた。第一に、昨年以降、国内の国民と企業が国内銀行で米ドルでの貯蓄を大幅に増加させたこと。昨年は1080億ドル、今年上半期は約700億ドル以上増加している。第二に、国有企業や民営企業など各企業が海外進出を加速させており、海外投資が急増したこと。その一部は米ドルだった。第三に為替レートが変化したこと。
「貿易の利便性、投資の利便性、市場参入者の利便性を考えた場合、為替市場の発展が確実に求められている。外貨商品を豊富にし、為替市場の対外開放を推し進める。そこには取引時間の延長も含まれる」と易綱氏は述べ、市場改革こそが市場の資源配置に決定的作用を及ぼすものであり、この理念があってこそ、取引時間延長の問題や、国内外で一致した人民元レートなどの問題を解決できるとした。同時に、政府の力をうまく使うことも大切だとの見方も示した。そうすることで中国市場は各種投資主体、国内外の投資主体に適応でき、市場の効率性や競争力を高めることができるとした。
「政府は人民元レートを10%下げることで輸出を促進させようとしているという話があるが、これは全くのデタラメであり、根拠のないものだ」と易綱氏は指摘し、「為替レートで輸出を促進させる必要はないと我々は考えている。今回為替相場システムを調整したのは、基本的により有効な市場化システムを構築するためであり、資本の通貨交換など改革開放をスケジュール通り進めるためである。弾力性のある為替レートによって経済のリスクヘッジ能力を高めること。これは自動的な調整器、安定器である。つまりシステム構築をしたのだ。このような面を考慮し、考えられる影響を踏まえながら判断した。生じるであろう影響は完全に制御可能であり、一定範囲内にとどまるものだ」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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