中国の経済発展が減速の圧力に直面する中、「環境保護が経済発展に影響を及ぼすのでは」という声が上がっている。中国環境保護部は9日、専門家チームが長期的なリサーチによりまとめた報告書を発表し、環境保護が確かに経済に悪影響を及ぼしていることを認めたが、この影響は短期的かつ小範囲のものだとした。影響が及ぶのは主に次の面だ。
(1)GDPへの影響。時代遅れの生産能力を淘汰することでGDPが減少する。研究者の計算によると、第11次五カ年計画期間(2006−2010年)に、中国は省エネ・排出削減を拡大し、時代遅れの生産能力を淘汰した。これによりGDPが1869億元減り、同期のGDPの0.12%を占めた。「大気汚染防止行動計画」(2013年)の実施以来、時代遅れの生産能力の淘汰によりGDPが1148億元減少し、同期のGDPの0.03%を占めた。
環境保護は確かにGDPに影響を及ぼすが、小さな影響であることが分かる。より注意すべきは、これらの影響が短期的に火力発電、製鉄、コンクリート、フロートガラスなどの業界を制約するが、現代サービス業、環境保護産業、設備製造業などの新興業界をけん引することだ。
(2)企業のランニングコストの増加。中国環境保護部の調査員によると、山東省淄博市では近年400億元以上の環境保護経費が投じられ、汚染企業(延べ)8000社以上の業務改善を行い、各種零細企業1000社以上を閉鎖し、汚染防止対策の設備を1000台以上追加した。これらの投資の多くは企業が負担し、短期間内に企業の収益に影響を及ぼす。
しかし角度を変えて見てみると、これらの投資は必要不可欠だ。環境保護部環境計画院副院長の王金南氏によると、これらの投資は企業が排出基準を満たすため必要なものだ。また環境保護の投資拡大により、汚染による環境の損失を回避し、現地の環境保護産業の高度発展をけん引できる。経済減速の圧力に直面しているが、同市の環境保護産業は2桁以上の成長を維持している。
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