中国人民銀行(中央銀行)は二十四節気の「霜降」にあたる今月24日、「双降」に踏み切った。双降とは2つの引き下げのことで、1つは金融機関の1年もの預金・貸出の基準金利の0.25%引き下げを、もう1つは金融機関の人民元建て預金準備率の0.5%引き下げを指す。「京華時報」が伝えた。
中央銀行のこのダブル引き下げはいささか意外だったが、予想できたことでもある。同月19日に発表された今年第3四半期(7-9月)の国内総生産(GDP)成長率が7%を割り込んで6.9%となり、当面の経済情勢の厳しさが浮き彫りになったからだ。こうした経済情勢の中、ダブル引き下げが行われたことは予想の範囲内だといえる。実際、国務院の李克強総理は早い時期から、「預金準備率の引き下げ、ターゲットを絞った預金準備率の引き下げ、金利の引き下げなどの金融政策ツールを合理的に運用して、経済の安定的な運営を維持する必要がある」ことを明確にうち出してきた。
ここから容易にうかがえるのは、今回のダブル引き下げの狙う先は中国経済であり、株式市場の値上がりを喚起することが目的ではないということだ。よって市場は今回のダブル引き下げによる株式市場喚起の役割を過大に見積もるべきではないし、昨年11月にも行われた人民銀のダブル引き下げ後の株式市場の高騰ぶりが市場で再演されると期待してはならない。
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