国際的格付け機関の米フィッチ・レーティングスは9日、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの格付けを引き下げ、「A」から「BBBプラス」に2段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」としたことを明らかにした。VWは同日に緊急理事会を開催し、新たに発覚した二酸化炭素(CO2)排出データをめぐる不正問題への対応を協議した。同じく米格付け機関のスタンダード&プアーズも10月にVWの格付けを引き下げている。ドイツ紙「ハンデルスブラット」は、「VWのリストラとさらなる支出削減は避けられないだろう」と報じた。人民日報が伝えた。
フィッチがこのほど発表した声明によると、VWの格付け引き下げには「排ガス不正問題で失墜した名誉、およびこれから直面する数十億ユーロ(1ユーロは約132.0円)に達するとみられる罰金、回収(リコール)のコスト、裁判のコストなど」が反映されている。VWのブランドイメージや名誉は大きく傷つき、次々と訴訟を起こされる可能性があるという。
VWは先週、排気ガス排出量の不正をめぐる内部調査により、80万台でCO2排出量データの偽造が発覚したことを明らかにした。ドイツ紙「ビルト」の日曜版は8日、「今回の偽造行為の直接の原因はVWの企業文化にある。2012年に当時のヴィンターコルン最高経営責任者(CEO)は15年をめどにCO2排出量を30%削減すると宣言したが、技術者により目標の達成が難しいことがわかると、排出データを操作するという違法な手段を採用するに至った。
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