米海軍の駆逐艦「ラッセン」がこのほど、中国の南中国海の島礁付近の海域を「巡航」した。本件は中米両国間の緊張情勢を激化させ、米国の同盟国はどちら側に立つべきかという問題を生んだ。日本は米国が願うような南中国海の定期的な巡航を行うかという問題について、中国の軍事専門家の尹卓氏は中国中央テレビのインタビューで、「南中国海への進出は日本が長く抱いていた願いであり、米国の南中国海への干渉の機会を借り進出する可能性がある。米国や日本がどのように情勢を乱そうとも、中国が島礁の建設を強化し、南中国海の軍事面の防衛力を強化するという流れに影響は生じず、これを変えることはない」と指摘した。
尹氏は、「日本は現在も南中国海に進入しようとしている。日本は米国の合同巡航の要請を利用するか、その他のASEAN諸国を抱き込み合同巡航を行う可能性がある。しかし日本の水上艦が南中国海に入るには、依然として一定の問題がある」と分析した。
日本の中谷元防衛相は11月6日、ベトナムのハノイでフン・クアン・ タイン国防相と会談した。双方は海上自衛隊の艦艇をカムラン湾の海軍基地に寄港させることで合意した。日本は来年の年初に、同基地の港湾施設の開港式に艦艇を派遣する見通しだ。尹氏は、「日本の軍艦がカムラン湾に入るのは、現時点ではメンテナンス、補給、人員交代が目的で、軍事基地として使用し、人員を長期的に駐留させることはできない。またカムラン湾の問題では、ロシアの存在も無視できない」と話した。
米国と日本が手を組み南中国海情勢を乱すという現実に、中国はどのように対応すべきだろうか?尹氏は、「中国は『不変で万変に対応する』を続ける。不変とは法律・政治・外交で南中国海の主権を維持し、南中国海の航行の自由を保証することだ。同時に中国は島礁の建設を加速する。米日がどれほど邪魔しようと、中国の戦略的決意を揺るがすことはできない。米国の最近の行為は、中国の南中国海の島礁に対して深刻な脅威となっている。特に駐留する人員の安全を著しく脅かしている。ゆえに中国は島礁に軍事力を派遣する、防空・通信・レーダー・偵察・海空の力を駐留させるといった必要な措置を講じ、南中国海の主権に対する護衛・保証能力を迅速に形成するべきだ。米国と日本が何をしようとも、中国が島礁の建設を強化し、南中国海の軍事面の防衛力を強化するという流れに影響は生じず、これを変えることはない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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