中国の通貨・人民元は11月30日、国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)構成通貨に正式に採用され、長年の夢が叶った。世界市場で人民元のSDR入りが注目を浴びているほか、国内の貿易企業にとっても大きな好材料となる。
人民元のSDR入り、貿易企業にとって好材料
経済面で中国と世界との融合が緊密になりつつある。世界第5位の貿易大国として、国際貿易・金融システムで中国の存在感は日々増している。中国が人民元のクロスボーダー資本移動の自由化や、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略、企業の海外進出を推進するなか、貿易で人民元決済の比率はさらに上昇しそうだ。
通貨バスケットへの組み入れは、人民元が国際市場に認められ、受け入れられたことを意味する。貿易建値通貨、決済通貨、金融取引・投資通貨、国際準備通貨として、世界範囲で人民元が果たす役割は一層拡大する。
資本市場関係者は『証券日報』の取材に対し、「世界の主要通貨として、人民元が各国中央銀行の外貨準備に組み入れられれば、中国の輸出、輸入企業は為替コストを省ける。企業利益の拡大に繋がる」と指摘した。
業界関係者によると、アパレル、機械・設備、日用雑貨などを取り扱う中国の輸出業界、エネルギー、ハイテク、鉱業などの輸入業界、旅行・観光業界などにとって、人民元のSDR入りがプラスに働く。また、海外へ進出する中国企業も、人民元の国際化により、海外で元建てでの投資や、財務諸表の編成などが可能になり、為替コストを大幅に削減できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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