◇安倍首相改憲の野心
日本の2015年の「今年の漢字」には、「安」が選ばれた。これは安倍首相が反対を無視し強行採決した、安保関連法案を指す。安保関連法案の成立は、日本が戦後長年守ってきた「専守防衛」が終わり、危険な局面を迎えることを意味する。そのため多くの日本人が「不安」を感じ、「安定」した生活に期待している。
安保関連法案を成立させた安倍首相は、2016年に日本の武力行使を禁じる平和憲法を改定するという、最大の政治的野心の実現に着手する。安倍首相は2016年夏の参院選後に、改憲の是非を問う国民投票を行うと話していた。そのため今回の参院選の結果は極めて重要だ。自公連立政権が衆参両院の圧倒的な議員数を維持できるかは、安倍首相の改憲動議に直接関わる。しかし選挙結果がどうあれ、安倍首相の改憲の野心は地域の緊張情勢を引き起こし、国内および国際社会から強く反対されるだろう。
日本は2016年に先進国(G7)首脳会議を開く。ホスト国の安倍首相は国際的な広報活動を強化し、改憲や南中国海などの問題で自国の主張を押し売りし、同盟国を抱き込もうとするだろう。
日本経済の低迷はアベノミクスが効果を失いつつあることを示しているが、安倍首相は2016年にもデータを羅列し、大げさにアピールし、経済発展と国民生活の改善を重視するというスローガンで国民の心をつかもうとするだろう。しかし安倍首相が羅列しているデータは、空虚なものにすぎない。虚はいくら重ねても虚にしかならない。
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