2001年にニューヨークとワシントンで9.11同時多発テロが発生すると、中国人は道家思想の「大象無形(極めて大きなものは形として見えない)」という言葉によって、国際テロの恐怖を形容した。しかしながら現在、テロの暴力は形を持ち、拡大している。多くの人は現在の世界最大の脅威をテロとしている。
それと同時に、伝統的な意義の地政学的戦略を巡る競争が際立っている。ロシアと欧米の地政学的戦略を巡る駆け引きは、ウクライナ危機で十分に示されており、「冷戦の再来か」と懸念された。古い考えと手段により新しい問題を処理し、古い問題を誇大表現し、新しい問題を古いものとしたがる人が常にいるが、世界はすでに前向きに発展している。
同じくアジア太平洋において、米国は南中国海の島礁の領有権を巡る問題に介入し、軍事同盟を強化し、新たな地政学的競争の意図を示している。米国のアジア太平洋における最も重要な関心事は「権力のシフト」のようで、中国から追い出されることを懸念している。そこで米国は伝統的な地政学的な政治の発想を持ち出し、中国と隣国の係争への介入を始め、一部の領土・主権問題を戦略的競争のリスクに変えている。
経済面で、米国は世界経済における主導権を守るため、環太平洋経済連携協定(TPP)と環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の締結を積極的に促した。主要経済国を全面的に受け入れずして、別に新たな規則を作る。これは世界経済の秩序が、再び集団的・排他的な方向に発展することを意味するのだろうか?
米国主導・西側中心の戦後レジームは、人類の進歩と経済成長に大きな貢献を成し遂げたが、現在は世界の変化に対応できなくなった。これは成長した人が子供の服を着ているようなものだ。
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