11年間、わたしは中国人学生たちに日本語を教えてきた。その間、日本語を通して自分は何ができるのだろうかと考えた。いつも頭に浮かぶのは「若者たちを励ますこと」だった。何度考えても答えはいつも同じで、「若者たちを励ますこと」だった。
そしてこうも思った。「若者たちを励ますだけじゃダメだろう。それだけはダメだろう。もっと価値のあるもの、もっと経済効果をあげられるものはないのか」と。しかし、なかなか答えが見つからなかった。
あれから11年が経ち、ようやく重い腰をあげて中国全土を歩き回り、以前わたしを悩ませてきたあの質問に答えることができるようになった。答えはやはり、「若者たちを励ますこと」だ。
一年前、まったく資金のない状況で日本語講演マラソンを敢行することを決心した。資金がないことと、大それたことをするというので相当馬鹿にされたが、応援してくれる人たちがいたお陰ではじめることができたし、やればやるほど応援してくれる人が増えていった。
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