▽「新種」の貿易保護
知財権は以前にも増して市場競争における武器となっている。李研究員の指摘によると、337調査は米国が自国の企業を保護するために取る措置であり、対象となった中国企業が必ずしも権利を侵害しているとは限らない。過去の例をみると、無水銀電池の案件では、中国の業界団体が集団で応訴して勝訴した。、スクラロース(TGS)の案件では、調査対象となった企業は積極的に応訴しなかったが、浙江省にある同一産業の企業が応訴して最終的に勝訴した。他国の企業が337調査を持ち出して中国企業を告発したこともあり、目的は中国企業を米国市場から閉め出すことにあった。337調査は、一部の企業の米国市場を奪取するための道具となっている。
中国の対米輸出が急速に増加を続けており、米国市場の競争相手たちがなんとかして中国企業に対抗しようとするのは当然のことだ。337調査は、米国企業がライバルを阻止しようとする際、最も安上がりで最も手間のかからない方法だ。ある業界関係者の指摘によると、一部の競争相手は337調査を一種の競争戦略とみなし、調査によって中国企業を攻撃しようとしている。あるいは中国企業に複雑な法律プロセスを踏ませたり、高額の訴訟費用を捻出させたりして、ダメージを与えようとしているのだという。
商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院国際市場研究部の白明副主任によると、米国は自国に有利な時は貿易自由化を声高に叫び、利益がないとみれば貿易保護に走る。米国は今、再工業化をうち出しており、特にハイエンド技術分野の製造業と知的財産権との連携を密にしている。米国はこれまでいつも反ダンピング、反補助金、特別セーフガード調査によって貿易保護を進めてきた。、ここ数年はグリーン障壁、炭素排出、知財権をはじめとするさまざまな貿易障壁を次々にうち出し、貿易保護の手段がますます隠蔽体質になっている。
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