中国の指導者は米国に代わり、アジアの支配的な力になろうとしているのだろうか。リー・クアンユー氏は、「そうでないはずはない。彼らの運命に対する覚醒は、一つの圧倒的な力となる」と語った。アジアに再び焦点を絞っている国家に対して、同氏は中国の隣国に注目すべきだと提案した。これらの国家は、台頭中の巨人に経済的に依存する弊害を意識している。13億人の人口を有する市場を閉ざしさえすれば、中国は容易に経済制裁を実施できるのだ。
領土問題がエスカレートするに伴い、中国が武力により主張を実現に移すことはあるだろうか。リー・クアンユー氏は、中国が他国から刺激されないかぎり、その可能性はないと指摘した。同氏は、「中国は自国の経済成長が、エネルギーを含む輸入に依存していることを理解している。中国は開放的な海運ルートを必要としている。中国はかつてドイツと日本が犯した過ちを、極力避けようとしている」と語った。同氏によると、中国は技術力・軍事力の面で劣っているため、この時期に米国に軍事力で対抗する可能性は低い。これはつまり、中国が武力という手段ではなく、外交的手段をより重視することを意味する。
リー・クアンユー氏は、中国は強い信念で持久戦を進めていると指摘し、「世界で最も偉大な国となる、これは中国の野心だ」と述べた。同目標を実現するためには、経済の高度成長を維持するばかりではなく、現在よりも慎重な態度と敏感な感覚により、軍事衝突を引き起こす偶発的な事件やミスを防ぐ必要がある。このような衝突は、どの国の利益にもならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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