つまり私たちがタクシーを必要とする時間帯はドライバーたちが走りたくない時間帯で、彼らが走りたい時間帯なら、私たちが別にタクシーを必要していません。
「初乗り(3キロ)10元=約150円」は物価高が続く中で何年も変っていません。庶民生活に余裕が生まれ、利用者は増えているようですが、渋滞緩和のために車の総量規制を徹底しようとしている北京市にはタクシーを増車する考えはないそうです。急激にクルマ社会に突入したジレンマは尽きないようですね。
さらに今年はガソリン価格が高騰したことから、渋滞する繁華街に行くのを拒否したり、帰りの客が拾えない長距離の移動を嫌がる運転手が増えています。2010年はレギュラーガソリンが1L7元(105円)でしたが、現在は8.05元(119円)まで10%以上値上がりしており、ガソリンを浪費しないよう渋滞するピーク時間帯に営業しない車両が増えたため、タクシー不足が一層深刻化したということもあります。
そんな事情の裏にはタクシー会社と運転手が固定した上納金で結ばれているという関係があります。その上納金は一般的な車両だと1か月5千元(約6万円)かかります。ガソリン代は100%運転手持ちで、事故を起こせば事故車の修理代もすべて運転手持ちます。簡単に言えば、運転手が会社から車を借りて営業しているようなものですね。上納金を減らせば、ドライバーたちの負担が少なくなります。しかしタクシー会社のほうも利潤率がものすごく低いと訴えていますから。