(3)CPI上昇率も不動産価格を押し上げた。不動産価格はCPIの統計に組み込まれないが、不動産価格はCPIを構成する重要な要素だ。ここ数年、わが国の物価は持続的に上昇し、特に農産品の価格とサービス関連の価格が上昇を続けた。物価の上昇は経済の急速な発展の「副産物」であると同時に、通貨政策とも関連する。2009年の流動性の過剰が、多くの消費財の価格を大幅に引き上げ、これに伴って不動産価格も値上がりした。
別の原因もある。たとえば、近年には北京市の古い街並みが改修されたり、都市部にある村で大規模な取り壊しや移転が行われたことにより、安価な賃貸料の物件が大量に減少した。文教地区の物件は値上がりを続けており、賃貸価格は多くの場合市場の一般的な水準を上回る。また一部の仲介業者に賃貸価格をめぐる投機的な行為がみられ、オーナーから安く借り受けた不動産資源を高価格で貸し出している。契約の執行をめぐっては、悪意をもって顧客から預かった保証金を使い込むという現象がしばしばみられ、このことが不動産賃貸コストを増大させている。こうした原因はいずれも不動産賃貸価格の上昇を後押しするものだ。
「人民網日本語版」
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