また、中国の大学卒業生の能力や資質には、多くの企業が満足していない。中国のシリコンバレーと呼ばれる北京・中関村でIT会社を営む某社長は、「現在、4年制大学卒業者の中からでも、本当に実力のある人を探すのは難しい。相対的に言うと、修士課程や博士課程を修了していれば、まずまずの総合的能力を持っているが、それでも会社を満足させるには至らない」と指摘する。
中国では現在、高学歴を持つ失業者の増加が今後、新たな社会問題になるのではないかと懸念されている。大卒の失業者が増加するにつれ、工事現場でアルバイトをしたり、単純な肉体労働をしたりする「大卒の出稼ぎ労働者」も年々増加している。比較的高い学歴を有しているにもかかわらず、出稼ぎ労働者と全く変わらない仕事に就き、低賃金に甘んじている彼らからは、高学歴のメリットはかけらも見えない。同グループは今後、社会に対して恨みや不満を抱く「憤青」(怒れる若者)へと変化していく可能性もある。そのため、中国政府は既に、国営企業の新入社員募集を増加させたり、大卒生に対して農村で教育や村を管理する仕事に就くよう奨励したりするなど、解決の道を探っている。ただ、大学卒業生は今後も毎年、数百万人単位で増加するため、中国社会にかかる負担は依然として巨大だ。
「人民網日本語版」
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